建設業許可の申請が完了し、無事に許可が下りると、許可を持っていることを証明する必要がある場面も出てくるかと思います。
今回は、建設業許可通知書・建設業許可票・建設業許可証明書など、言葉が似ていて間違いやすいものについて説明いたします。
建設業許可証明書とは?
建設業許可証明書とは、建設業許可を受けた事業者が許可を受けた先から交付を受けることのできる書類です。
建設業許可を受けている事業者は、建設工事を請け負う際や公共工事の入札の際に、建設業許可を証明する書類の提示を求められることがあります。
この場合に、先方から「建設業許可証」が必要といわれたりします。
しかし、建設業許可証という正式名称の書類は存在しません。
そして、正式な書面が必要な場合には、建設業許可証明書を提出することとなります。
何のためにどのような書類が必要なのか、よく確認して対応する必要があるでしょう。
建設業許可証明書と間違えやすい書類とは?建設業許可通知書・建設業許可票との違い
次に、建設業許可証明書と間違えやすい建設業許可通知書と建設業許可票について見ていきます。
建設業許可通知書とは?
建設業許可通知書とは、建設業の許可申請を行い許可が下りた場合に申請者に対して送付されます。A4の紙の形式です。
許可が下りたことを申請者に知らせるために交付されるものになります。
このため、許可事項に一部変更が生じたとしても、これを反映した新たな通知書は再発行されません。
紛失による再交付もできません。なくさないように気をつけましょう。
万が一紛失してしまった場合については、建設業許可証明書を発行すれば足りるケースもありますので過度に心配する必要はないでしょう。
ただ、慣例として取引先の許可取得の確認については通知書で済ませる場合が多くあります。
許可取得の事実の確認書類を求められた時に通知書のコピーで対応することもあります。
建設業許可票とは?
建設会社に訪れると銀色や金色の金属製の看板を玄関や応接間に飾ってあるのを目にしたことがあるのではないでしょうか。これが建設業許可票です。
営業所ごとに掲示することが義務になっています。
これは看板業者などに依頼して作成します。
この許可票に証明力はなく、公共工事の参加資格の証明に使うことはできません。
許可を受けた事項を公衆に示すことが目的です。
また、建設業許可は更新制度が採用されていますので、有効期間などの表記は5年ごとに変わります。
看板は安いものではありません。繰り返し使用できる仕様になっているものもあるので、長く使うことを考えた場合はこのようなものを作成するとよいでしょう。
建設業許可証明書の請求方法について
建設業許可証明書は、実際にその建設業許可を取得した機関から発行されます。
具体的には、営業所が複数の都道府県にある事業者の場合は、国土交通大臣から許可を受けており、営業所が1か所であればその都道府県知事の許可を受けています。
建設業許可証明書を取得したい場合は、その許可を受けた先に証明書交付の申請を行います。
なお、実際には国土交通大臣許可を受けた事業者の場合は、本社など主たる営業所を管轄する地方整備局に申請を行います。
また、都道府県知事の許可を受けた事業者は、各都道府県の土木事務所に申請を行うこととなります。
申請を行う際は、事前にホームページで所定の申請書類をダウンロードしておき、必要事項を記載します。
郵送または窓口への持参により申請を行うことができるため、遠方で簡単に行けない方も不便ではないでしょう。
郵送で申請する際には、返信用の封筒を同封する必要があります。
なお、国土交通大臣許可を受けた建設事業者については、令和2年4月1日以降、建設業許可証明書の交付を受ける際の取扱いが変更されています。
変更内容は下記のとおりです。
原則として、一の更新申請につき1回、発行部数は1枚限りとする。
ただし、「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」による確認ができない場合や、更新許可の申請中、あるいは災害等による紛失や海外工事のためなどの特別な事情がある場合はこの限りにはなりません。
請求先
請求先については管轄により違いが出る可能性があります。
たとえば、大阪府の場合、大臣免許であっても知事免許であっても申請先は大阪府庁の窓口になります。
府知事免許の場合は、許可者が府知事なので大阪府知事からの許可証明書が発行されます。
しかし、大臣免許については許可者ではないので正式には証明書は発行されません。
これの代わりに、「許可の確認」に関する証明書が発行されます。
もちろんこれを用いて公共工事の審査を受けることができます。このように地方により取り扱いが異なる可能性があるので注意が必要です。
交付までに要する日数
交付されるまでにかかる日数について、関東地方整備局の場合、2週間程度かかります。
また、一度に請求できるのは基本的に5部程度にとどめるようにとの案内があります。
それ以上の数の証明書が必要な場合は、使用用途を記載した理由書の添付が必要となります。
理由書の書式は任意です。このあたりについても、管轄により取り扱いが異なる可能性があるので注意が必要です。
費用について
証明書の発行費用はそれほど高くはありません。一通数百円程度の収入印紙を購入すると取得することができます。
まとめ
建設業の許認可を得た後に申請できる建設業許可証明書について説明しました。
許可を取得する最も大きな目的の一つに公共工事の受注があります。公共工事を受注するために必ず必要な書類になります。
この書類を取得するために許可申請を行ったといっても過言ではありません。
非常に重要な書類ですので、証明書の発行方法などについて事前に整理しておくと良いでしょう。
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