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建設業 法人化を検討している方へ~法人化の条件からメリット・デメリット~

建設業者を営む個人事業主は全国で16.3万人、その中で法人化を検討している事業主も少なくないでしょう。

ここ数年法人設立件数は増加傾向にあり2017年度は13万社に達しましたが、その中でも建設業は1.8万社とサービス業に次いで第2位です。

ではなぜ、法人化するのでしょうか?銀行から融資を受けやすい、採用が集まりやすい、公共工事で有利、節税につながるといったメリットは本当でしょうか?一方で法人設立はコストや手間もかかります。

今回の記事では法人化によるメリット・デメリットを解説します。

法人化で節税はできるのか

法人化の最大のメリットは、節税効果です。

経営者本人に支払った給与も経費で落ちる

個人事業主の場合、例えば奥さんが経理等の事務を手伝っていれば、青色事業専従者として給料が税務上の損金として認められます。

ただし個人事業主が自分自身に給料を支払うことはできません。

一方で法人化すれば、法人が経営者に役員報酬を払うことができ、一定の条件の下で税務上の損金として認められます。

もちろん役員報酬を受け取った経営者自身は所得税を納税しなければなりませんが、給与所得控除の適用で納税額を抑えることができるのです。

ただし役員報酬は定期同額給与といって、毎月同じ額を支払わないと税務上損金に算入できません。

中小企業の社長さんは「会社の金は俺のカネ」という意識が強いので、例えば冠婚葬祭にかかった費用を会社のお金で処理したりしがちです。

こうした定期外の出費は「役員賞与」とみなされ、税務上の損金に算入できません。

税務署などに突っ込まれないためには、取締役会または株主総会で毎月の役員報酬額を決議した形を取り、議事録を残しておくのがよいでしょう。

付け加えると、税務調査でこのことが発覚すると通常の税金以外に過少申告加算税、悪質だとみなされた場合は重加算税まで徴収されるので、くれぐれも慎重に取り扱いましょう。

所得が増えても税率が上がらない法人税

もう1つの節税効果は、税率です。

支払える能力のある人がより多く負担する「応能負担」の考えに立つ所得税は、所得が増えるほど税率が上がる累進課税を採用しており、最低税率5%~最高税率45%です。

一方で中小企業が納める法人税は、社会インフラの受益度合いに応じて負担する「応益負担」の考えに立っており、一定税率を採用しています(資本金1億円以下の中小企業の場合は2段階で、800万円以下が15%、800万円超が23.2%です)。

この2つを駆使すれば、大きな節税効果を享受できます。

<シミュレーション 事業所得2000万円>

(個人事業主の場合)
事業所得 20,000,000円
青色申告 650,000円
各所得控除 1,350,000円
課税所得 18,000,000円
税率 40%
控除額 2,796,000円
所得税額 4,404,000円

(法人化すると)
〇法人分 〇経営者分
事業所得 2,000,000円 給与所得 8,000,000円
役員報酬 8,000,000円 給与所得控除 2,000,000円
各所得控除 1,350,000円
課税所得 12,000,000円 課税所得 4,650,000円
税率(800万円超) 0.232 税率 0.2
税率(800万円以下) 0.15 控除額 427,500円
法人税額 2,128,000円 所得税額 502,500円
合計納税額 2,630,500円 節税効果! 1,773,500円

<シミュレーション 事業所得5000万円>

(個人事業主の場合)
事業所得 50,000,000円
青色申告 650,000円
各所得控除 1,350,000円
課税所得 48,000,000円
税率 45%
控除額 4,796,000円
所得税額 16,804,000円

(法人化すると)
〇法人分 〇経営者分
事業所得 5,000,000円 給与所得 8,000,000円
役員報酬 8,000,000円 給与所得控除 2,000,000円
各所得控除 1,350,000円
課税所得 42,000,000円 課税所得 4,650,000円
税率(800万円超) 0.232 税率 0.2
税率(800万円以下) 0.15 控除額 427,500円
法人税額 9,088,000円 所得税額 502,500円
合計納税額 9,590,500円 節税効果! 7,213,500円

シミュレーション結果からも明らかなように、事業所得が2000万円→5000万円と2.5倍に増えると、節税効果は177万円→721万円と4倍以上に増えます。

つまり稼げば稼ぐほど累進的に節税効果が大きくなるのです。

逆に言えば、あまり稼いでいないのなら節税メリットはあまり期待できません。

法人化の検討に当たっては、そのあたりの見極めをつけるべきでしょう。

建設業許可は個人事業主でもOK

500万円以上の工事を請け負う場合は、建設業法に基づく許可が必要です。

許可要件は経営管理責任者や専任技術者の設置、財産基礎(500万円以上の資金調達能力・自己資本500万円以上または過去5年間の継続営業実績)及び欠格要件(営業停止期間中・刑執行後または執行猶予期間終了後5年以内等)です。

法人化は特に要件とされません。

融資を引き出すのに法人化は有利か

法人化と融資審査は関係ない

銀行は融資に当たって、融資先の財務状態、融資資金の使途、返済見通しや担保・保証人の有無・事業プランの有望性について審査します。

窓口の融資担当者も決裁者(支店長か金額によっては本店)も、万が一のことがあれば自分たちに責任が及びます。

弁済能力の有無をきっちり見極めるため、自ずと審査は厳しくなります。

「法人だからこの会社は融資しても大丈夫」などと考えるほど、銀行はお人よしではありません。

そんなことより、説得力のある事業計画書を作り上げる、審査面接においてしっかり説明できることの方が大切です。

法人の借金は経営者が返すのか

事業が破綻した場合の借金返済に違いはあるのでしょうか。

個人事業主が受けた融資は、必ず事業主本人が返済しなければなりません。

払えなければ家屋敷も担保に取られます。

一方で、法人(株式会社)が倒産しても経営者に返済義務は及びません。

会社が破綻して経営者に及ぶ経済的な責任は、あくまで自らが会社に出資した金額の範囲内です。

これが俗にいう「株式会社の有限責任」です。

もちろん中小企業の大部分は経営者本人が全額出資しているので当然大きな損失を被りますが、個人資産は関係ありません。

そうした背景から、ネットでは「法人は経営者の個人資産が守られます」的な話がコメントされていますが、銀行はそんなに甘くありません。

よほど長い付き合いで銀行と深い信頼関係を築いていれば別ですが、そうでなければ融資担当は例外なく経営者の個人保証、不動産などを所有していればその担保設定を求めてきます。

つまり株式会社の有限責任は中小企業にとって何の意味もなく、法人が破綻すれば、経営者も破産に追い込まれるわけです。

結局は、破綻時の弁済面でも個人事業主と法人で変わりはないのです。

ちなみに下請けへの代金支払いは、ほとんどの場合で個人保証を取り交わさないのが通例です。

元請けが破綻したら仕入先はあおりを食って連鎖倒産しかねません。

だからこそ、下請けは代金の支払い条件に神経質なのです。

人材採用に有利か

新規求人数が24か月連続で前月を上回ることが示すように、建設業では好調な雇用動向が続いています。

とくに専門的なスキルを持つ人材の人手不足は深刻で、「建設・土木・測量技術者」の有効求人倍率は6倍を超えています。

では法人化すれば人材が集まるようになるのでしょうか。

法人化が人材採用に有利かどうか、採用される側に立って考えてみましょう。

就職先を決めるにあたって一番大切なのは、待遇面や仕事内容です。

加えて、就職先が安定した企業なのかどうかも重要な判断材料です。

では、何をもって安定していると考えるのでしょう。

建設業なら鹿島・清水建設などのスーパーゼネコン、その下の準大手・中堅クラス(西松建設・五洋建設・銭高組など)が真っ先に思い浮かぶでしょう。

あるいは全国区で名前が知られていなくても、地場で強い建設会社(例えば静岡県なら木内建設・鈴与建設、青森県なら青井重機建設・鹿内組など)にも人気が集まります。

「寄らば大樹」を指向するタイプの人材は、世間に名の知られた、または売り上げ規模の大きい・従業員数の多い企業にばかり目を向けます。

法人化したからといって、零細企業に就職したいと思うでしょうか。

法人化で安定志向の人材を集めようとするより、仕事内容(経験を積んで専門技術を磨ける)や資格取得面での魅力を重視した方が、やる気のある人材獲得につながるのかもしれません。

法人化のデメリット

デメリットとしては、法人登記や社会保険加入にお金や手間がかかることが挙げられます。

法人登記

法人登記は、設立した会社の事業目的や内容・役員構成・発行済株式数などを広く公表する制度です。

例えば下請け・元請けががどんな会社なのか知りたいときに、法務局で登記を閲覧すれば会社概要を確認できます。

法人登記には、定款認証に伴う手数料・印紙代、登録免許税、登記簿謄本・印鑑証明書代金に加え、司法書士・行政書士に頼めば総額で20万円は覚悟しなければなりません(株式会社の場合)。

手続きは法人設立の時だけでなく、役員の就任・辞任・住所変更、新株の発行などにおいても必要です。

社会保険加入

建設業の場合、常用雇用の従業員が5人以下なら厚生年金保険・健康保険(以下「社会保険」)の任意適用事業所扱いとなり、加入が義務付けられません。

一方で法人の場合、たとえ1人も雇っていなかったとしても社会保険の強制適用事業所扱いです。

強制適用事業所は、常用雇用の従業員(パートタイマーで一定の条件に該当する者を含む)を社会保険に加入しなければなりません。

国土交通省も法令に違反した社会保険未加入に神経をとがらしており、建設業の許可更新にも影響を与えかねません。

加入者に課される保険料のうち、半分は雇い主が負担します。

あわせて、従業員負担分を徴収し、会社負担分とあわせて毎月納付します。

コスト的な負担だけではありません。

従業員の雇用・退職に伴う資格取得・喪失届、年金基礎番号の管理、保険料の元となる「算定基礎届・総括表・附表」の提出など面倒な手続きも多く、専任の事務作業員を雇う余裕のない中小企業にとっては大きな負担です。

まとめ

法人化は、法人登記や(従業員の)社会保険加入で経費や手間がかかる一方で、公共工事への入札参加資格や節税メリットは大きな魅力です。

加えて、幅広く出資を集めるなら法人化は必須要件です。

公共工事に元受けとして入札したい、利益が出ており節税対策が必要、または将来はもっと事業を拡大し出来れば株式公開を目指したいなら、法人化を選択すべきでしょう。

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